平成21(2009)年3月29日(日)、神奈川県箱根で天之忍穂耳尊と九頭龍の跡を訪ねる・・
箱根神社 | 箱根神社隣の九頭龍神社(新宮) | 万巻上人の奥津城| 芦ノ湖畔の九頭龍神社(本宮) | 弁財天社 | 白龍神社 | 駒ケ岳の箱根元宮 | 箱根の神山 |
芦ノ湖畔に祀られている九頭龍神社(本宮)
「汝、九頭龍よ
そなたの考え方を埋めよ 」
今回の参拝のとき女房の心が九頭龍に呼びかけた言葉だという。
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椋杵命(伊邪那岐尊の弟)の娘・持子は九頭龍の転生であった。『秀真伝(ほつまつたゑ)』の記述に基づけば、戸隠に留め置かれているはずなのであるが、同じような筋の物語で芦ノ湖に現れている。
戸隠の物語と芦ノ湖の物語をどのように捉えなおせばよいのだろうか?
平成21(2009)年に九頭龍や高龗神を追求した結果を2つの論考にまとめた。
「越前名蹟考」に記載されている平泉寺白山神社の九頭龍
高龗神(たかおかみのかみ)とはどういう神なのか?
「ハコネ」とは「育む根」であるとするところからみると・・
平成22(2010)年3月11日に整理しながら、「ハコネ」の大涌谷の熱は「根の国」をも育んでいるのかもしれない、と思うようになった。九頭龍の源泉が箱根にあるということは、その源泉は根の国の白山にもあるということなのだろう。
拝殿
ご祭神
九頭龍大神九頭龍神社(本宮)に掲示されている由緒書より
当神社の起源は、遠く奈良時代の昔、天平宝字元年(757年)箱根神社を現在地に奉遷された万巻上人が、当時住民に損害を与えていた九頭龍を調伏、その後龍神としてまつり、湖水祭が執り行われるようになったのが始まりです。
古くから仏教とりわけ修験道と習合した箱根権現を中心に、当神社は堂島弁財天や蓑笠明神 第六天社等と共に山伏の強い信仰参拝をうけたところでしたが、明治維新いらい修験道の廃止に伴い秘かにおまつりされてきました。
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古くから箱根権現の御手洗の池と呼ばれてきた芦ノ湖の主・九頭龍明神の御神徳を奉賛し、水恩に報謝する祭りは箱根神社の湖水祭(7月31日齋行)がありますが、この祭りの最も大切な湖上神秘の神事、即ち御供(ごく)を捧げるところが当神社前の沖合であることからみても当神社の例祭と軸を一にするのは当然です。
万巻上人が九頭龍を調伏された故事に倣い、昔の手振りそのままに行われるこの祭りは、神社創建の由来を物語る大切な祭りです・・・
古くから仏教とりわけ修験道と習合した箱根権現を中心に、当神社は堂島弁財天や蓑笠明神 第六天社等と共に山伏の強い信仰参拝をうけたところでしたが、明治維新いらい修験道の廃止に伴い秘かにおまつりされてきました。
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古くから箱根権現の御手洗の池と呼ばれてきた芦ノ湖の主・九頭龍明神の御神徳を奉賛し、水恩に報謝する祭りは箱根神社の湖水祭(7月31日齋行)がありますが、この祭りの最も大切な湖上神秘の神事、即ち御供(ごく)を捧げるところが当神社前の沖合であることからみても当神社の例祭と軸を一にするのは当然です。
万巻上人が九頭龍を調伏された故事に倣い、昔の手振りそのままに行われるこの祭りは、神社創建の由来を物語る大切な祭りです・・・
『秀真伝(ほつまつたゑ)』が伝える九頭龍・・
今から10万年前、『秀真伝(ほつまつたゑ)』では戸隠命が
「汝持子よ、日に三度の炎の苦しみを断つべきであるぞ。わが神饌を食み、戸隠宮に慎み居れ。わが身の善悪を知り、善を守ればやがて罪は消えうせるであろう。また人と生れることもできようぞ。大蛇の緒を切るべし」
と九頭龍の持子を諭されている。
善知鳥神社(青森県青森市)「汝持子よ、日に三度の炎の苦しみを断つべきであるぞ。わが神饌を食み、戸隠宮に慎み居れ。わが身の善悪を知り、善を守ればやがて罪は消えうせるであろう。また人と生れることもできようぞ。大蛇の緒を切るべし」
と九頭龍の持子を諭されている。
この時の九頭龍・持子に関するものが下のリンクである。
| 能生白山神社(新潟県糸魚川市) | 関山神社(新潟県妙高市) | 九頭龍社(長野県長野市) |
神奈川県箱根芦ノ湖畔にある九頭龍神社(本宮) | 神奈川県箱根神社境内地にある九頭龍神社(新宮)
| 平泉寺白山神社(福井県) | 舟橋の黒龍神社(福井県) | 毛谷黒龍神社(福井県) | 三井寺の九頭龍(滋賀県大津市) |
「越前名蹟考」に記載されている平泉寺白山神社の九頭龍 | 高龗神(たかおかみのかみ)とはどういう神なのか?
『秀真伝』(八幡書店刊、鳥居礼編著)下巻「御機の二十八」より
大己貴命 | 一姫お娶る | 一姫とは竹子姫(田紀理姫)のこと |
子の島津大人 | 三つ姫祭る | 三つ姫とは宗像3女神の竹子姫(田紀理姫)・湍子姫(江ノ島姫・多岐津姫)・田奈子姫(市杵島姫)のこと |
外が浜 | 厭(いと)う安潟 |
三つ姫を外が浜に厭(いと)う安潟神として祭る。 青森市に善知鳥(うとう)神社がある。善知鳥(うとう)は青森市の鳥に指定されている。母鳥が「うとう」と呼ぶと、子鳥は「やすかた」と答える。猟師が母鳥の声をまねて子鳥を呼び出し捕える、と母鳥は空にあって血の涙を流したという。 |
神の御食 | 食む厭(うと)うあり | |
九頭の | 大蛇が食めば | 青森市に善知鳥(うとう)神社の周辺に八岐大蛇の姉である持子の九頭龍が潜んでいた。 |
島津大人 | 羽々矢斬り振れば | 島津大人とは宗像3女神の長女・竹子姫の子。 |
逃げ至り | 越の洞穴 |
善知鳥神社(うとう〜青森県青森市)周辺から九頭龍は逃げ出し、能生白山神社(のうはくさん〜新潟県糸魚川市)周辺に至り、関山神社(新潟県妙高市)を通り、戸隠に逃げ延びた。この由縁により、戸隠神社ガ九頭龍の頭で、関山神社(新潟県妙高市)が九頭龍の胴で、能生白山神社(のうはくさん〜新潟県糸魚川市)が九頭龍の尻尾であるといわれるようになった。 (※)月の光>新潟県の奴奈川神社と弥彦神社 |
掘り抜けて | 信濃に出れば | |
これお告ぐ | 伊勢の戸隠命 | |
馳せ帰り | 「汝は恐る | 戸隠命は伊勢の天照神の元で勅使をしている。 |
これ如何」 | 答えて「昔 | |
二人大蛇 | 姫に生まれて | 持子が姉で、早子が妹。八岐大蛇は、早子と生まれて、宗像三女神(竹子姫・湍子姫・田奈子姫)を生み、九頭龍は姉の持子と生れて、菩卑命を生む。 |
君召せば | 持子は御子生み |
九頭龍の持子が生んだのは菩卑命。 九頭龍は自分の犯した罪の中でも、子の菩卑命を案じたのだ。 これは青森市の善知鳥(うとう)の伝承から読み取れるかもしれない。 母鳥が「うとう」と呼ぶと、子鳥は「やすかた」と答える。猟師が母鳥の声をまねて子鳥を呼び出し捕える、と母鳥は空にあって血の涙を流したという。 |
典侍(すけ)となる | 早子は姫生み | 宗像三女神(竹子姫・湍子姫・田奈子姫)は八岐大蛇の化身であった早子の罪を祓うべく、日本各地を周った。その名残が、日本各地に残る弁財天社である。 |
内局(うちつぼね) | 内(うち)瀬織津姫が | |
御后(みきさき)に | なるお持子が | |
殺さんと | 妬めば早子は | |
君お強い | 弟君請えど | ここの君は素戔嗚命のこと。 |
顕はれて | ともに流浪ふ | |
赤土命が | 女お弟君に | 速吸姫のこと。 |
因むおば | 早子が大蛇に | |
噛み殺す | 弟足名椎命が | |
女お請ゑば | 七姫までは | |
噛み食らふ | 時に素戔嗚尊 | |
これお斬り | 身を安潟と |
八岐大蛇の化身であった早子は素戔嗚尊に退治された。 今から160万年前のことだ。 |
祭るゆえ | また大山祗命の | |
娘と生まれ | 妹お妬む | 磐長姫と生まれる。 |
罪の鳥 | また持子大蛇 | |
瀬織津姫お | 噛まん噛まんと | |
百五十万穂 | 蝦夷白竜(えぞしらたつ)の |
九頭龍は150万年もの間、瀬織津姫を噛み殺そうと、蝦夷白竜の岳に潜んでいた。 八岐大蛇が退治されたのは今から160万年前の出来事だから、九頭龍が戸隠の宮に留まったのは、今から10万年前の出来事だろう。 |
岳に待つ | 今神となる | |
空しさよ」 | 戸隠命曰く | |
「汝今 | 日三の炎お | 九頭龍の化身であった持子は、戸隠命に諭される。 |
断つべしぞ | わが御食食みて | |
下に居れ | 祥禍身お守れば | |
罪消えて | また人なるぞ | 「汝持子よ、日に三度の炎の苦しみを断つべきであるぞ。わが神饌を食み、戸隠宮に慎み居れ。わが身の善悪を知り、善を守ればやがて罪は消えうせるであろう。また人と生れることもできようぞ。大蛇の緒を切るべし」 |
緒お切れば | 万のヲタウの | |
山ぞハコザキ」 |
弁財天社から見る九頭龍神社(本宮)
芦ノ湖にかかる桟橋
箱根の芦ノ湖畔の九頭龍神社(本宮)の地図
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