哀歌(エレミヤ) |「月の光」

12部族の回復預言と預言の書

 「創世記」(第17章7節、第49章)・申命記(第33章)・列王記T(第12章)・列王記U(第17章)・
 イザヤ書エレミヤ書哀歌(エレミヤ)エゼキエル書ホセア書アモス書ゼカリア書
<選民意識>出エジプト
<預言>ダニエル書ヨハネの黙示録
<参考> 詩篇
<研究> 小石豊

哀歌(エレミヤ)の12部族の徹底的な離散

〔04:14〕彼らは血に汚れ
    目は見えず、街をさまよう。
    その衣に触れることはだれにも許されない。
〔04:15〕「去れ、汚れた者よ」と人々は叫ぶ。
    「去れ、去れ、何にも触れるな」と。
    「こうしてさまよい歩け」と国々は言う。
    「再びここに住むことはならない」と。
〔04:16〕主は御顔を背け
    再び目を留めてはくださらない。
    祭司らは見捨てられ 長老らは顧みられない。
〔04:17〕今なお、わたしたちの目は
    援軍を求めていたずらに疲れ
   救ってはくれない他国をなお見張って待つ。
〔04:18〕町の広場を歩こうとしても
   一歩一歩をうかがうものがある。
   終りの時が近づき、わたしたちの日は満ちる。
   まさに、終りの時が来たのだ。
〔04:19〕わたしたちに追い迫る者は
   空を飛ぶ鷲よりも速く
   山々にわたしたちを追い回し
   荒れ野に待ち伏せる。
〔04:20〕主の油注がれた者、
   わたしたちの命の息吹
   その人が彼らの罠に捕えられた。
   異国民の中にあるときも、その人の陰で
   生き抜こうと頼みにした、その人が。
〔04:21〕娘エドムよ、喜び祝うがよい
   ウツの地に住む女よ。お前にもこの杯は廻って来るのだ。
   そのときは、酔いしれて裸になるがよい。
〔04:22〕おとめシオンよ、悪事の赦される時が来る。
   再び捕囚となることはない。
   娘エドムよ、罪の罰せられる時が来る。
   お前の罪はことごとくあばかれる。
 それにしても離散が現在のイスラエル建国まで2000数百年も続くとは、いったいだれが予測しただろうか。彼らはどこにいても忌み嫌われ、迫害と虐殺と排斥におののく日々であった。  前7-6世紀のエレミヤは上のように預言している。
 なんとユダヤ人の離散はここでも神によって仕向けられていたのだ。
 パレスチナにユダヤ人国家をつくろうというシオニズムが展開したのは、1890年代のことである。1894年、ユダヤ系フランス人ドレヒュスがドイツのスパイ容疑で検挙されたのが、このシオニズムの契機となった。リーダーはテオドール・ヘルツルで、1897年、スイスのバーゼルにシオニスト機構が設立された。

『日本・ユダヤ連合超大国』P65(小石豊、光文社)