5度の岩戸閉め ・岩戸開き ・建替え建直し 月の光 > 聖地 探訪ノート
  一.天智彦命の思兼神について
          『秀真伝』にみる
     3.素盞鳴尊様のエロ関係


「       細矛千足の国(山陰)より益人神狭日命の補佐役をされていた兵主命が、伊雑宮の南殿の香久の宮に使者を遣わしてこられました。
  =その文面は、白人・胡久美の悪行を神狭日命が糾さないので、臣がこれをお告げいたし、その処分を依頼するという内容のもので、その結果、白人・胡久美の死罪が決まり獄舎につながれた=
天照神は諸神とご審議され、「神皇産霊の八十杵尊を根の国の国神とする。父伊奘諾尊のいとこであり、わたしにとっては八十杵命と妻の白山姫(菊桐姫)は伯父と伯母にあたる方なれば、政事も永く治まるであろう。」と詔を下されました。八十杵尊と白山姫は、天照神の勅によって根の国をお治めになり、のち、この二神を白山神と讃えたのでした。しかし、二神は兄である伊奘諾尊の御魂は祭りましたが、事件の原因を作った椋杵尊の御魂を祭ることはしませんでした。
 一方北の局の典侍であり大蛇の化身でもある持子(九頭龍)は、内つ宮(中宮)に昇格した瀬織津姫を妬み憎むあまり、内つ宮を亡き者に宣と虎視眈々と隙をうかがっていました。そこで邪心に満ちた白人、胡久美を配下に置こうと考えました。持子(九頭龍)は椋子姫を神狭日命の子の天押日命に嫁がせ、持子の兄として立て、父神狭日命の政事を嗣がせ細矛千足の国の益人にしたのです。この祝事に乗じ、白人・胡久美らは恩赦により祥を得て罪を半減されたのでした。死刑を免れた白人・胡久美は佐須良の身となり、簸川当たりを流浪っていると、細矛千足の国の益人となった天押日命は、この白人・胡久美をわが臣として召しかかえました。
 素戔鳴尊はこの益人交替時の細矛千足の国を整え、真名井の原の豊受神を祭る朝日の宮に詣でられました。するとその参拝者の中にやさしそうな一人の女性(筑紫の赤土命の娘で早吸姫)がおりました。素戔鳴尊はさっそく赤土命のもとへ使者を送り、早吸姫との結婚に許しをもらおうとされました。父赤土命は賛成したのですが、素戔鳴尊が結婚してから住むお宮をお持ちでなかったため、婚儀はそのままになっていました。
 ご自分のお宮を持たない素戔鳴尊は、しばしば持子、早子の北の局にお泊りになってとうとう早子(八岐大蛇)と密情を交わされてしまいます。そんなとき、天照神から持子、早子の姉妹に休みを取れとの勅があり、代わりに豊姫が召されました。両名は北の局より下がって嘆き悲しんでいました。それを見た素戔鳴尊は、耐えかねて逆上し、剣を持ち豊姫を討ちに行こうとされたのです。すると早子(八岐大蛇)がそれを押し止め、「どうせなら、天照神を亡き者にして、天位をわがものになさいませ」と悪知恵を吹き込みます。そこに瀬織津姫の妹の花子がやって来ました。素戔鳴尊はあわてて、剣をしまい殺気を隠そうとしました。しかしそれを見てしまった花子姫は、その場をそ知らぬ顔で通り過ぎると、密かに内つ宮に坐す姉の瀬織津姫にお告げになりました。           」
(『秀真伝』上巻pp401〜404)



『秀真伝』が伝える素戔鳴尊のエロ関係は天照神の北の局の早子(八岐大蛇)とのものであって、『三鏡』が伝える稚姫君命とのエロ関係については触れられていない。しかし、素戔鳴尊をめぐってエロ関係があったという記述は『秀真伝』と『三鏡』は共通している。

       
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