因幡堂(氷ノ山)【3】文献に掲載されている由緒書き|鳥取県

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鳥取県八頭郡若桜町大字つく米
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文献に掲載されている由緒書き

『全国神社名鑑』(史学センター)に掲載されている由緒書き

 記載ありません。

『須賀山雑記』の記事を紹介

 >『須賀山雑記 (1973年)』(山根達治著 今井書店刊)の中に驚きべきことが記されています。若桜にも白兎を祀るお堂がかってあったということです。

「因幡堂
 昔は豹ノ山峠、因但(因幡と但馬)の国境にありしとかや。今は峠より遥か東に下りて但馬(たじま)にあり。本尊地蔵白兎神社今大兎大明神と記す。大兎大明神を祀る神社が、旧高草郡内海村の外、旧八上郡の国中村大字池田、賀茂村大字福本にもある。或いは八上媛伝説と何らかの関係ありか。」(P214)

 つまり、天照大神が八上の白兎に案内され、霊石山にしばらく行宮されて、お帰りになるときにお通りになった氷ノ山越えの国境地点にも、白兎を祀るお堂がかつてあり、今もそれは但馬(たじま)に残っている、ということです。  直接的なつながりはないと思われますが、但馬には宇和野(うわの)という地名や大蛇伝承と連なる兎塚(うづか)というところがあります。
 この地点にあるということはもしかすると白兎は、霊石山の門尾から伊勢が平(なる)まで天照大神を案内した後、いったん姿を隠しますが、御冠岩への案内やお帰りの際に、氷ノ越えまで道案内をしたかもしれません。
 郡境であり国境ですから、案内はそこまでだった可能性があります。
 つまり、八上の大兎明神=白兎は天照大神を門尾の三本松(郡境)で出迎え、氷ノ越え(国境)で見送りをした、とはいえないでしょうか。
 いずれにせよ、白兎=大兎明神は、八上の守護神です。

八上神秘の白兎と天照大神伝承―もう一つの因幡の白兎神話』(大江幸久著、星雲社刊)PP88-89 より引用